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ブラック・ジャック 資料初公開 来月作品集刊行 鉛筆描き、制作過程も


ブラック・ジャック 資料初公開 来月作品集刊行 鉛筆描き、制作過程も 作品集「ブラック・ジャック ミッシング・ピーシズ」で初公開される主人公のモノクロ線画(ⓒ手塚プロダクション)
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 漫画家手塚治虫(1989年死去)の代表作「ブラック・ジャック」の未使用こまや、販売用に描かれた主人公のモノクロ線画などの新資料が、11月に刊行される作品集「ブラック・ジャック ミッシング・ピーシズ」(立東舎)で初公開されることが11日分かった。
 手塚プロダクションは「人気作のため、資料は出し尽くしたと考えていた。ブラック・ジャックでは『最後のお蔵出し』になるだろう」と説明している。連載開始から50周年を迎えた大ヒット医療漫画の魅力を深掘りできる貴重な資料といえそうだ。
 公開されるのは、主人公の天才外科医ブラック・ジャックを描いた未使用のこまや原稿、78年ごろに一般販売用に描かれた絵の着色前のモノクロ線画など。50周年記念展「手塚治虫 ブラック・ジャック展」(東京都港区の東京シティビューで11月6日まで開催)の準備を進める中で、手塚プロの資料室内に現存していたことが分かった。
 同作は73~83年に「週刊少年チャンピオン」に掲載。週刊連載の短いページ数で命の尊さを描き、医療や社会の在り方を問うた同作は「短編の手本」とも評される。手塚プロ資料開発部の下枝咲彩さんは「皆さんの目に触れていないこまや、鉛筆描きのタッチなど、手塚の制作過程も垣間見られる資料。楽しんでもらえたら」と話している。
 手塚は自作の単行本化の際、連載時の原稿を自ら切り貼りし、話や絵を加筆修正、再構成したことで知られる。「ブラック・ジャック ミッシング・ピーシズ」は連載時のオリジナル版エピソード約10編などを収録。「ストラディバリウス」「緑柱石1・2(単行本版は『ふたりのピノコ』)」などはオリジナル版と単行本版を併録し、比較しながら読める。
 11月20日発売。4950円。
作品集「ブラック・ジャック ミッシング・ピーシズ」の表紙(ⓒ手塚プロダクション)
作品集「ブラック・ジャック ミッシング・ピーシズ」で初公開される未使用のこま(ⓒ手塚プロダクション)
作品集「ブラック・ジャック ミッシング・ピーシズ」で初公開される主人公のモノクロ線画(ⓒ手塚プロダクション)