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藤井 八冠独占いつまで 「タイトル戦をいいものに」


藤井 八冠独占いつまで 「タイトル戦をいいものに」 藤井聡太八冠 今後のタイトル戦日程
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 将棋界初の全8タイトル制覇を成し遂げた藤井聡太竜王・名人・王位・叡王・王座・棋王・王将・棋聖(21)はいつまで独占を続けることができるのか。王座奪取で全冠を獲得した藤井八冠は12日、京都市で記者会見し、今後について「竜王戦が始まっている。これからのタイトル戦を内容のいいものにしたい」と話した。
 年内のタイトル戦は6日に開幕した竜王戦7番勝負(対戦成績は藤井八冠の1勝0敗)が最後で、藤井八冠は3連覇を目指す。挑戦者は同学年の伊藤匠七段(21)で今後、ライバルとなることが期待されている。伊藤七段は小学生大会で藤井八冠に勝ち、泣かせたことでも知られている。
 年が明けると、王将戦7番勝負、棋王戦5番勝負と2023年度の防衛戦が続いていく。若き王者となった藤井八冠にとって、好勝負を繰り広げるためにも早期のライバル出現が待たれる。
 今期の王座戦は、4連覇中だった永瀬拓矢前王座(31)に挑戦、深い読みと的確な指し手を披露、対戦成績3勝1敗でタイトルを獲得した。藤井八冠は「自分の実力以上のものが出ている。改善の余地は多いと思う。どうすれば実力を高めていけるか考えたい」と謙虚に振り返った。1996年、羽生善治九段(53)が7タイトル時代に全冠制覇を達成。2017年に叡王が加わり、過去最多の8タイトル戦となってから初の全冠独占となった。

将棋界初の全八冠制覇から一夜明け、花束を手に笑顔の藤井聡太王座=12日午前、京都市