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クマ人身被害 最悪のペース 東北中心に100人超


クマ人身被害 最悪のペース 東北中心に100人超 住宅街に現れたツキノワグマ=2010年9月、金沢市大桑町
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 本年度はクマによる人身被害が過去最悪のペースだ。環境省が11日に発表した4~9月の速報値では、東北を中心に15道府県で計109人に上り、月別統計を始めた2007年度以降の同時期比で最多となった。個体数の増加が一因とみられる。今後も冬眠の準備で活動が活発になる一方、餌となる木の実は凶作のため各自治体が注意を呼びかけている。
 本州以南はツキノワグマ、北海道ではヒグマが生息。道府県別の被害を見ると、多い順に秋田28人、岩手27人、福島13人、長野9人と続き、東北が全体の約7割を占める。北海道でも3人を数えた。10月以降も増えており、秋田や岩手は14日現在で、既に過去の年度を通じた最多人数を上回った。
 秋田市では今月9日、住宅街で4人が相次いで襲われけがをした。1頭の仕業との見方がある。関係者によるとこの一帯は河川で囲まれており、出没は珍しいという。秋田県北秋田市では今月、飼育されていた地鶏19羽が食い殺される被害もあった。
住宅街に現れたツキノワグマ=2010年9月、金沢市大桑町