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樋口さん研究に奨励賞 琉球舞踊、はやし言葉着目


樋口さん研究に奨励賞 琉球舞踊、はやし言葉着目 比較舞踊学会の若手研究奨励賞を受賞した樋口美和子さん(左)と同学会の安広美智子会長=9月30日、東京都文京区の順天堂大学(同学会提供)
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 県立芸術大学文化芸術研究所共同研究員で舞踊家の樋口(高嶺)美和子さん(40)が研究した「琉球舞踊にみられる囃子詞と所作に関する一考察」が、比較舞踊学会(安広美智子会長)の若手研究奨励賞を受賞した。9月30日に東京都の順天堂大学で開かれた学会で表彰された。琉球舞踊がテーマの研究での奨励賞受賞は3人目。

 樋口さんの研究では、古典女踊12作品のはやしに着目した。はやし言葉の挿入回数などを調べてリスト化。「伊野波節」のはやし言葉「ハイヤマタ」のように、はやし言葉のタイミングで作品独自の振り付けや琉舞で大事な所作「思い入れ」がある例も複数確認した。

 高嶺美和子として琉球舞踊かなの会師範でもある樋口さん。舞踊の指導中にはやし言葉と振り付けの関係に気付いた。「所作が分かる舞踊家ならではの視点かもしれない。注目されなかったはやし言葉だが、古典の奥深さを生み出しているのかも。その役割も調べたい」と研究の今後の可能性に期待した。

 奨励賞は今回から、同学会元会長でお茶の水大学名誉教授の森下はるみさんからの基金で「若手研究奨励賞」となった。

 (田吹遥子)