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「教訓次世代に」 遺族らが追悼式 伊豆大島土砂災害10年


「教訓次世代に」 遺族らが追悼式 伊豆大島土砂災害10年 伊豆大島の土砂災害から年となり、慰霊碑で手を合わせる女性=日午後、東京都大島町
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 死者36人、行方不明者3人に上った2013年の伊豆大島(東京都大島町)の土砂災害から16日で10年となった。町は被災地に整備した公園で追悼式を開き、坂上長一町長が「追悼と災害の記録を伝承し、多くの犠牲の下に得られた教訓を決して風化させないよう、引き続き全力で取り組んでいく」とあいさつした。
 式典には遺族約70人が参加。東京都豊島区の山田岩子さん(83)は、長男耕一さん=当時(44)=を失った。慰霊碑に花を供え「10年たっても、元気で戻ってきてくれやしないかと考えてしまう」と涙を浮かべた。多くの町民も献花に訪れた=写真。
 式典に先立ち、町は防災行政無線で黙とうを呼びかけ、警察、消防とともに浜辺で、今も見つかっていない3人を捜索。漂着物を一つ一つより分けて手がかりを探した。
 伊豆大島では13年10月16日未明、台風による湿った空気の影響で1時間に122・5ミリ、24時間で824ミリという記録的な大雨が降った。島西部の斜面が崩壊、流木を含む土砂が住宅や商店を襲い、海まで到達した。