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<2023年度植木光教基金・琉球みどりの文化賞>1 未来を彩る緑と花 中学・高校生の部金賞 赤嶺 彩夏(豊見城中3年)


<2023年度植木光教基金・琉球みどりの文化賞>1 未来を彩る緑と花 中学・高校生の部金賞 赤嶺 彩夏(豊見城中3年) 赤嶺彩夏
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 周りに広がる緑と花は私たちに安らぎと癒やしを与え、自然からの贈り物とも呼ばれる美しい存在です。緑と花がもたらす魅力は日常生活のあらゆる場面で深く感じることができます。皆さんはそんな緑と花の大切さを理解しているでしょうか。私たちが生活する中で緑と花がない街を想像できますか。

 昨年の夏、私は家族と一緒に遠くの公園へピクニックへ行きました。公園の敷地内を歩いていると、色鮮やかな花畑が目の前に広がっていました。さまざまな花が咲き誇り、自然の花だけではなく、地域の人々の手で植えられた花や木もたくさんありました。一つ一つが公園を彩り、まるで絵の具のパレットのような景色は私の心に平和な安らぎをもたらしてくれました。

 私も美しい景色を創るお手伝いをしたい、地域や環境に貢献したいと考え、木や花を植える活動に参加しました。当日、私はスコップを片手に持ち、地域の方から指導を受けて苗木を植えました。土を耕して丁寧に苗木を植えていく作業の中でこだわりが感じられ、地域の緑化につながっているんだと強く実感しました。徐々に地に根を張る苗木を見ると、自分の手で未来を育てているような気がして喜びを感じました。

 数カ月後、何もなかった地面は四季折々の花で彩られ、木々は緑豊かな景色を与えはじめていました。その中で地域を散歩する人たちが私たちが植えた木や花に触れ合う姿が見られ、成果を感じうれしかったのをよく覚えています。

 この経験を通して気づいたことは、緑や花は私たちの生活になくてはならない存在だということです。また緑化活動を通して地域に貢献する大切さも学ぶことができました。今、人工的に植樹をしたりなどの活動が増えています。緑や花を増やすメリットについて私はいくつか考えました。

 まず第一に緑や花は私たちの健康に良い影響をもたらします。緑を見たり花に触れると自然と心が落ちついたりした経験があるという方も多いのではないでしょうか。緑や花はストレスを軽減し、リラックス効果を与えることが研究で示されています。また緑の植物は酸素をつくり空気を清浄してくれるので、新鮮な空気を得ることができます。

 第二に緑を増やすことは気温調節にも効果的な役割を持っています。この暑い夏、建物やアスファルトなどが熱を吸収し、気温を上昇させるヒートアイランド現象が問題となっています。ですが緑化によって植物の蒸散の働きで気温が下がり、私たちは涼しい環境を得ることができます。

 最後に社会的な利益につながると考えたからです。例えば観光地に緑や花を増やします。そうすると色とりどりの美しい景色や花々の彩りは観光客に心地よい印象を与え、写真映えするスポットや記念撮影の場所として人気を集めることもできます。これによってインスタグラムなどで情報が広がり、観光地の知名度がより高まると思いました。

 多くのメリットがたくさんある一方で、いくつかのデメリットもあります。緑や花の増加には定期的な手入れや管理をしなければなりません。これには多くの人手と予算が必要になります。また、たくさんの植物の導入により害虫や病気の発生が多発する可能性があります。私は植物の手入れや管理は地域の人々で交代に世話をしたら良いと思います。その中で地域の人ともコミュニケーションがとれて交流の輪も広がります。予算などの資金不足の面では政府や企業、地域住民などの資金を活用し緑化プロジェクトを行って集めるのも良い案だと思います。このようにデメリットも計画を通して軽減できます。

 私たちが心豊かに生きれているのも緑と花のおかげと言っても過言ではないです。未来でもこの美しさを引き継いでいきたいです。

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 2023年度植木光教基金「琉球みどりの文化賞」の各部門の金賞、銀賞受賞作品を紹介する。