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パーキンソン病 関心持って 友の会沖縄支部が交流会 厳しい運営でも 集まる場必要


パーキンソン病 関心持って 友の会沖縄支部が交流会 厳しい運営でも 集まる場必要 全国パーキンソン病友の会沖縄県支部の交流会。ラジオパーソナリティーでアコーディオン奏者の山原麗華さんを迎え、手拍子やリズムを取って懐かしの歌謡曲を楽しんでいた=11月4日、那覇市の県総合福祉センター
この記事を書いた人 Avatar photo 岩崎 みどり

 全国パーキンソン病友の会沖縄県支部(又吉忠常支部長)の交流会がこのほど、那覇市の県総合福祉センターであった。患者やその家族ら50人が参加し、リハビリの方法や薬、悩み、情報などを共有した。

 創立20年になる県支部はこれまで専門家を招いた講演会を定期的に開き、県内の患者に情報を提供するなどの役割を果たしてきた。一方、事務局の当事者らの高齢化や病状の進行などに直面し、活動の継続が難しくなっている。会関係者は「継続のため多くの人に関心を持ってほしい」と参加を呼び掛けている。

 情報交換の場

 交流会では、ラジオパーソナリティーでアコーディオン奏者の山原麗華さんが懐かしい歌謡曲の数々を披露した。参加者は手拍子や足でリズムを取り、一緒に歌ったり踊ったりしていた。山原さんの軽快なトークで笑いが起こり、和やかな時間を過ごした。その後の情報交換で、患者たちは在宅リハビリや服薬などについて話し合った。

 事務局がこれまでの歩みを紹介した。前身の患者会を02年に立ち上げ、04年に全国パーキンソン病友の会に加盟したことを説明した。事務局長の又吉朝子さんは「パーキンソン病が指定難病から外されそうになった時、全国の友の会支部が署名を集めて国会請願した」と活動を振り返った。

 一方、活動継続が難しい状況にあり、又吉さんが「これを最後の交流会にしようと思っていた」と打ち明ける場面もあった。しかし他の役員や会員からの要望があり、「直前の役員会で来年も開催すると決めた」と話した。

 患者は増加傾向

 県によると、指定難病の医療助成に登録する県内のパーキンソン病患者は2023年3月末現在で1434人いる。高齢化に伴い患者数は増えており、症状が軽く申請しても認められない人も多い。県支部には現在145人が加入する。

 県支部は医療講演会や交流会を開く際、会員以外にも参加を呼び掛けてきた。又吉さんは「他府県では公的機関や病院主催の講演会があるが、沖縄では開かれない。友の会の講演会や交流会がなくなると、患者が情報を得る場を失うのでは」と危惧する。現在10人いる役員のうち4人は患者で、残りは家族だ。いずれも高齢となり、体調管理や病状悪化の予防に腐心しながら運営に携わる。又吉さんは「患者が集まる場は必要だ。活動を継続するために、患者やその家族をはじめ多くの人に関心を持ってもらいたい」と訴えた。

 (岩崎みどり)