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女性活躍社会、多角的視点が必要 国際女性デー、沖縄県博でシンポ


女性活躍社会、多角的視点が必要 国際女性デー、沖縄県博でシンポ 女性の活躍する社会について識者らが報告や意見を交わしたシンポジウム=8日、那覇市の県立博物館・美術館
この記事を書いた人 Avatar photo 小波津 智也

 沖縄首里女性活躍ロータリー衛星クラブの創立記念シンポジウムが8日、那覇市の沖縄県立博物館・美術館で開かれた。この日は「国際女性デー」で、女性の活躍する社会について識者らが報告や意見を交わした。

 医師で認定NPO「フューチャーコード」代表理事の大類隼人さんは、途上国での医療や農業を支援する活動を通して見えた、女性の力強さについて言及した。

 団体の設立は、カリブ諸島ハイチで医療活動を続けてきた邦人女性との出会いがきっかけになったという。日本における国際協力において「男性はそもそも(現地に)来ない」と述べ、女性が途上国支援に果たす役割の大きさを強調した。

 支援するバングラデシュでは女性の政治進出が活発であることを指摘。「コミュニケーションや適応力が高く、ありのままでいられる強さがある」とし、こうした女性の個性が平和を生む力になると持論を展開した。

 沖縄大経法商学部の豊川明佳教授は、経営学の視点から女性の労働環境について解説した。豊川さんは国の統計から女性に家事育児が集中していることが活躍が進まない理由とみる一方、30代以下の男性側からは家事育児の時間の増加を望む動きが出ていることと分析。今後、人々のキャリア観が変化し、働き方改革でも副業など柔軟な働き方の促進が進むとの見方を示す。

 女性の働き方も含めた多様なライフスタイルを尊重できる環境づくりへ「私たちや企業、社会が多角的な視点で考える必要がある」と主張した。

(小波津智也)