年長者を敬い、地域で共に支え合ってきた沖縄の文化に根ざす看護や介護のあり方を探る「沖縄高齢者ケア研究会」が設立10年を迎えた。那覇市の県立看護大学で月1回開く定例会は、コロナ禍による中断を経て4月で71回を数えた。
豊かな老いと地域づくりへの貢献が目的。病院や大学、看護学校の関係者が発起人となって2014年3月に発足した。
発起人代表で、3月まで代表を務めた大湾明美・県立看護大学名誉教授は「当事者から学ぶことが高齢者ケアの原点。老いることは不幸でない、という意識改革を広げていきたい」と強調する。
定例会は感染対策のため20年1月から約3年間休止となったが、現在は毎月第3金曜に開いている。年配の一般市民ら毎回約30人が参加。介護やみとり体験など話題提供者の語りを受けて、参加者が小グループに分かれて話し合う。
4月の定例会では、おきなわ女性財団理事長の大城貴代子さん(84)が「私の老いの暮らし方」と題し、車の免許返納や娘との同居など近況を紹介。続いての話し合いでは、シニアカー(電動車いす)の使い勝手や独居の老後への不安など活発に意見が交わされた。
次回は5月17日午後6時半から。無料。詳しくは沖縄高齢者ケア研究会事務局、電話098(833)8895。
(宮沢之祐)