沖縄コロナ死亡率ワースト 徳田臨床センター長 あす5日、シンポで発表


沖縄コロナ死亡率ワースト 徳田臨床センター長 あす5日、シンポで発表 医療者の増員を訴える徳田安春群星沖縄臨床研修センター長=2日、県庁記者クラブ
この記事を書いた人 Avatar photo 宮沢 之祐

 年齢構成を考慮した新型コロナウイルス感染症の死亡率について、群星沖縄臨床研修センター長の徳田安春さんらが分析したところ、2021年には沖縄県が全国ワーストだった。徳田さんは5日午後2~5時、南風原町の県医師会館で開かれるシンポジウム「沖縄の医療を守ろう!」の基調講演で詳細を説明する。

 徳田さんは、異なる集団の死亡率を比べる際に年齢構成の違いを調整することで、より正確な比較ができる「年齢調整標準化死亡率」に着目。国際共同研究で、新型コロナの都道府県別死亡率を計算し直した。

 厚生労働省によると、21年の新型コロナによる10万人当たり死亡者は沖縄26.0人、大阪31.1人、東京20.8人。これを年齢調整標準化死亡率で見ると、沖縄8.83人、大阪6.67人、東京5.11人となり、沖縄がワーストになるという。

 徳田さんは、他県への患者搬送ができない地理的要因を挙げ、県内の医療体制の充実が必要とする。しかし、沖縄の初期研修医の募集定員は21年から減らされ、24年には164人と、20年に比べて19人減ったという。

 県内の医師数は、対人口比ではほぼ全国平均だが、「急性期の患者診療を担う内科などの医師数は少ない」と徳田さん。「急性期医療チームの核になる研修医が減るのは県民の命に関わる危機的状況だ」と指摘する。

 シンポジウムは徳田さんが代表を務める実行委員会の主催。県立北部病院の久貝忠男院長、県薬剤師会の宮城幸枝常務理事、県看護協会の平良孝美会長も交え、それぞれの現場の現状と課題を話し合う。参加無料。要予約で、https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSdvtfA8AizMuVG-EeIuZBUhXKQWglkaHV9UlK-nlKooKI0RNA/viewformから申し込む。問い合わせは、電話098(870)0061。

 (宮沢之祐)