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学生ら医療現場を体験、経験増やす インターンや地域の健康指導も 沖縄の県立看護大内に自主グループ


学生ら医療現場を体験、経験増やす インターンや地域の健康指導も 沖縄の県立看護大内に自主グループ 文化祭で健康チェックをする桑江良枝さん(左端)らOICCのメンバー=9月8日、那覇市、県立看護大学
この記事を書いた人 Avatar photo 宮沢 之祐

 沖縄県立看護大学(那覇市)の学生らによる自主グループ「沖縄県島嶼(とうしょ)ケアコミュニティ(OICC)」が、多くの医療や保健の現場を体験しようと、インターンシップの機会を求めるとともに、住民の健康チェックを通した地域づくりなどにも活動の輪を広げている。

 エアロビクスのインストラクターなど社会人経験がある3年生の桑江良枝さん(46)が代表、同じく3年生の平田菜奈弥(ななみ)さん(21)が部長を務め、昨年12月に発足。メンバーは当初の5人から30人に増えた。大学の単位に必要な実習だけでなく、多様な現場を経験し、広く知識や技術を身に付けたい。そんな思いからインターンシップを病院や診療所、学校の保健室などに依頼。断られることが多いというが、これまで6カ所が引き受けてくれた。

 訪問診察に同行し、末期がんの患者に接したり、養護教諭と一緒に児童と話したり。現場を知ることで大学で学ぶ意欲が増す効果もある。

 毎月、リモートで勉強会を開く。8月には診療看護士の育成に詳しい山城清二・西崎病院院長を講師に招き、呼吸音の聴診などを直接学んだ。

 さらに、沖縄しまたて協会の助成金を得て、大学がある与儀地域の地域づくりの一環で、血圧の測定や認知症予防の体操の紹介にも取り組む。看護大の文化祭でも学生の健康チェックもした。

 「現場で問題を拾い上げ、解決に導けるようになりたい」と桑江さん。「離島の保健医療には看護師の醍醐味(だいごみ)が詰まっている。沖縄発のケアモデルを発信したい」と夢を描く。

 (宮沢之祐)