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母娘2組、歌で届ける勇気 バンド「ゆいがーる」 進路、不登校 悩み乗り越え


母娘2組、歌で届ける勇気 バンド「ゆいがーる」 進路、不登校 悩み乗り越え 「ゆいがーる」の(左から)AYANE、SHOKO、MIZUNO、COCONA=10月11日、那覇市泉崎の琉球新報社(ジャン松元撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 嘉手苅 友也

 沖縄県出身の母娘2組で組む家族バンド「ゆいがーる」が県外で活動している。家族で挑戦する姿を見せながら、等身大の姿で見る人を勇気づけようとしている。

 メンバーは、リーダーでボーカルのSHOKOさん(51)、その娘でボーカルのAYANEさん(23)、もう一人の母親でボーカルのMIZUNOさん(45)、娘でドラムのCOCONAさん(19)の4人で、2020年に結成した。県外でのライブ出演のほか、自身のラジオ番組で、沖縄にまつわるトークを家族だんらんで発信している。

 結成のきっかけは、AYANEさんの留学がコロナ禍で中止になり、進路に悩んでいたことと、COCONAさんが不登校に陥ったことだった。すでにバックバンドとして活動していた母2人は、娘のために何かできないかと考え、「遊び感覚でやってみない」と娘2人をひっそりと音楽活動に巻き込んだ。

 COCONAさんのドラムの上達は目覚ましく、今では「不登校で悩む子の光になりたい」と話すほど自信をつけた。

 AYANEさんはバンドの名前を広げようと22年にエントリーした、女性向けサイト「モデルプレス」の次世代発掘オーディションで審査員特別賞を受賞し、モデルとしても活躍している。

 道を切り開く娘に負けじと、母2人も活動に励み「この年齢でも挑戦して上達を楽しめる」と同世代を勇気づけている。

 家族で歌詞を考え合い制作した新曲「黄金言葉~くがにくとぅば~」が、沖縄テレビの「Hi―Pu―Hop!ひーぷー☆ホップ」の10月度エンディングテーマとして採用された。SHOKOさんは「さまざまなことが移り変わる中でも、普遍的で大切なことがある。沖縄の先人の知恵と、今を生き抜く親世代から子どもたち世代へのメッセージ」を込めた。

 4人は「私たちの活動を通して、くすっと笑ってくれたらうれしい」と口をそろえた。

 (嘉手苅友也)