「戦争、国の空気づくりで起こされる」 戦場にさせない県民の会、63の団体・個人で設立 沖縄 


「戦争、国の空気づくりで起こされる」 戦場にさせない県民の会、63の団体・個人で設立 沖縄  沖縄を再び戦場にさせない県民の会の発足を報告する共同代表の具志堅隆松さん(右から2人目)、瑞慶覧長敏さん(同3人目)、平良友里奈さん(右)ら=15日、県庁記者クラブ
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 沖縄で7月に発足した戦争に反対する全県組織「沖縄を再び戦場にさせない県民の会」の共同代表らが15日、県庁記者クラブで会見し、63の市民団体と個人でつくる会の設立を正式に報告した。会は政治的主張を持たず、沖縄を戦争にさせないという一点で集結。県民を中心に県外にも参加を呼びかけ、幅広い層や世代による大衆運動を目指すという。

 共同代表は琉球沖縄センター長の瑞慶覧長敏氏と、沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」の具志堅隆松代表が務める。女性の共同代表も今後加わる。

 15日の記者会見で瑞慶覧氏は「歴史を見ても戦争は国の“空気づくり”によって起こされている。空気に流されないよう、おいも若きもその空気を押し返すことが必要だ」と述べ、若い世代の参加にも力を入れていく考えを示した。

 具志堅氏は「沖縄ではまだ沖縄戦戦没者の遺骨が見つかり、戦後処理が終わっていないのに戦争準備が国によって進められている」と懸念を示した。敵基地攻撃能力(反撃能力)を備えた長射程ミサイルの沖縄への配備について「国が進めていることは防衛の逸脱だ。沖縄から攻撃させないことが重要だ」と指摘。「琉球列島を非軍事化し、平和の緩衝地帯にするという構想を打ち出せれば」と語った。

 沖縄を再び戦場にさせない県民の会は9月24日午後0時半から沖縄市民会館大ホールで設立・キックオフ集会を開く。11月には那覇市奥武山公園で1万人規模の県民大集会を予定する。30代の平良友里奈さんは「78年前に沖縄戦が起きたような状況に、自分たち世代は絶対にさせたくない」と力を込めた。