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「新基地阻止、貫いて」 国の強行に批判の声、葛藤も 辺野古設計変更


「新基地阻止、貫いて」 国の強行に批判の声、葛藤も 辺野古設計変更 米軍キャンプ・シュワブ沿岸の工事現場で並ぶ多くのトラック(奥)。手前は作業船が見える大浦湾=2023年9月26日、名護市瀬嵩(小川昌宏撮影)
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名護市辺野古の新基地建設を巡り、沖縄防衛局の軟弱地盤改良工事の設計変更申請を承認するよう求めた国土交通相の勧告の回答期限だった27日、県内では、期限内の承認は困難と回答した玉城デニー知事の苦悩をおもんぱかる声や、国の強硬姿勢を批判する声が上がった。国に民意が届かない状況や、米軍機が飛び交い基地負担にさらされ続ける現状に、葛藤ややるせなさを感じる声もあった。


 名護市のキャンプ・シュワブゲート前にいた神谷乗好さん(85)=読谷村=は「戦争に使われる基地には反対するという、県民の思いが知事を支えている。知事には戦争反対、基地反対ということを、県民を代表して発信してほしい」と求めた。

 宜野湾市内の公園を訪れていた70代男性=同市=は「やりたい放題の国は汚いね」と語り「沖縄をなんだと思っているんだ」と憤る。散歩時にはいつも空を見上げ、米軍機が騒音をまき散らしていくのを確認する。「県には頑張ってほしいが移設やむなしなところもあるのかな」とため息をついた。

 那覇市の介護職員男性(48)は「知事は苦悩したと思う。判断は正しかったと思う」と評価した。沖縄を日米安保の最前線に立たせ、過重な基地負担を強いる国に対し「翁長前知事の意志を受け継いだ玉城知事は、民意を後ろ盾に移設阻止を貫き通してほしい」と期待した。(渡真利優人、名嘉一心、武井悠)