有料

一部開示判決「確定を」 遺骨関連文書 原告、県に求める


一部開示判決「確定を」 遺骨関連文書 原告、県に求める 県や県教育委員会に対し、控訴しないよう求める申し入れを行ったことを報告する「ニライ・カナイぬ会」の亀谷正子事務局長(右から3人目)ら=10日、県庁記者クラブ
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 戦前に研究目的で今帰仁村の風葬墓「百按司(むむじゃな)墓」などから持ち出された琉球遺骨の返還を求める団体「ニライ・カナイぬ会」は10日、県教育委員会に公文書の一部開示を命じた一審判決の確定を求め、県と県教育委員会に控訴しないよう申し入れた。那覇地裁によると、控訴期限は13日。
 那覇地裁は9月28日、県教委による一部不開示は違法だとして、遺骨の採集場所などの開示を命じた。同会は10日、申入書を県知事公室と県教育庁総務課の職員に手渡した。文書では「琉球の歴史や文化を踏まえて、控訴しない決断を強く求める。県教委は、ご遺骨の今後のあり方について遺族や県民と静かに対話しませんか」と促している。
 同会の亀谷正子事務局長は県庁記者クラブで会見し、「これまでの県教委の態度は上から目線で解せない。県民に寄り添ってほしい」と訴えた。仲村涼子共同代表は「台湾大は、盗掘された先住民族の遺骨を地域のコミュニティーに返している。一方、県教委は権威主義で特権意識が強く、国際スタンダードに遅れている。県の地域外交に共感するが、遺骨の取り扱いも国際スタンダードにのっとって県政運営してほしい」と指摘した。 (中村万里子、嘉数陽)
控訴しないよう求め、申し入れたことを報告する「ニライ・カナイぬ会」の亀谷正子事務局長(右から3人目)ら=10日、県庁記者クラブ