谷村新司さん死去　７４歳　「チャンピオン」「昴」

　音楽グループ「アリス」のリーダーで、「チャンピオン」や「昴（すばる）」など歌謡史に残る名曲を数多く手がけたシンガー・ソングライターの谷村新司（たにむら・しんじ）さんが８日、病院で死去した。７４歳。大阪府出身。葬儀は近親者で行った。後日、お別れの会を開く。
　　（１９面に関連）
　今年３月に急性腸炎の手術を受けて入院することになり、６月から開催予定だったアリスの全国ツアーを延期していた。所属事務所は「本人も回復に向けて頑張っておりましたので本当に残念に思います。とても穏やかな顔で旅立ちました」などと公式ホームページにコメントを掲載した。
　１９７１年、神戸市のアマチュアバンドのサークルで知り合った堀内孝雄さんとアリスを結成。翌年レコードデビューし、矢沢透さんを加えた３人で活動を本格化させた。谷村さんと堀内さんがどちらもボーカルとギターを担当するスタイルで、フォーク路線から出発。「チャンピオン」などのヒット曲を連発し、７０年代のニューミュージックを代表するグループとなった。８１年に活動停止を宣言し、２０００年代に入って再び活動を本格化させた。
　ソロ歌手としては、８０年発表の「昴」が中国などでも人気を集めた。堀内さんの「君のひとみは１００００ボルト」を作詞したほか、山口百恵さんの「いい日旅立ち」を作詞作曲し、加山雄三さんと「サライ」を共作した。琉球王国を舞台にしたＮＨＫ大河ドラマ「琉球の風」（１９９３年）のテーマ曲「階―きざはし―」も作詞・作曲し自ら歌った。