児童生徒へ、平日に家族と過ごす「休暇制度」 観光業の多い座間味村で来年度から導入


児童生徒へ、平日に家族と過ごす「休暇制度」 観光業の多い座間味村で来年度から導入 座間味村役場(資料写真)
この記事を書いた人 Avatar photo 岩切 美穂

 座間味村教育委員会は2024年度から、児童生徒が平日に家族と過ごすための休暇制度「ざまやすみ」を導入する。保護者の申請で年3日まで認め、欠席ではなく出席停止扱いとする。家族で過ごすことが目的の休暇制度は県内小中学校では初めて。観光業が主体の村では保護者が休日に働くことが多く、子どもと過ごす時間が少なかった。取り組みが広がれば、観光立県沖縄にとって就業者支援だけでなく、休みの分散による新たな観光需要喚起も期待される。

 同村は就業人口の92%を観光など第3次産業が占め、移住者も多い。学校の休みが保護者の繁忙期と重なり、家族そろって休めない家庭が多い。旅行を計画する際も、本島以上に日数を要する離島特有の状況がある。

 村教委によると、家族旅行や帰省のために子どもが学校を欠席せざるを得ない一方で、特に中学生では内申への影響を気にして欠席させることをためらう保護者の声もあり、家庭によって対応に差が生じていた。

 こうした背景から、大分県別府市が平日の家族旅行を推奨し、観光需要の平日・閑散期へのシフトによる地域活性化を図ろうと小中学校で実施している「たびスタ休暇」を参考に、新たな休暇制度を計画した。

 1週間前までに保護者が目的などを休暇申請書に記入し学校に提出する。取得の対象は授業日のみで、運動会や定期テストなど学校行事の日は除く。子どもだけで遊ぶなどの目的は認めない。休暇取得による授業の遅れは「自宅学習で補う」とするが、授業で使用したプリントの配布などは担任に相談できる。

 垣花健教育長は「家族の時間を確保し、村内外でのアクティビティーなど学校ではできない体験を通じて子どもの成長につなげてほしい」と語った。

(岩切美穂)