沖縄県が「捨てネコ防止」「やんばる保全」で行動計画を公表 パブコメは1000件超


沖縄県が「捨てネコ防止」「やんばる保全」で行動計画を公表 パブコメは1000件超
この記事を書いた人 Avatar photo 慶田城 七瀬

 沖縄県と環境省沖縄奄美環境事務所、国頭、大宜味、東の3村は、本島北部の生態系保全等のためのネコ管理・共生行動計画「ずっとやんばる ずっとうちネコ アクションプラン」を策定したと発表した。27日に各機関のウェブサイトで公表した。世界自然遺産の北部やんばる森林域からのネコの排除や、飼いネコの適正飼養、北部以外からのネコの流入防止などにより、希少種の生息状況の改善を図るのが狙い。

 森林域では、自動撮影カメラで継続的にネコが撮影され、マングース北上防止柵が設置されている大宜味村塩屋から東村福地にかけての「SFライン」以北では2021年度に82頭、22年度に47頭が確認された。

 計画では、(1)森林域でネコが確認されなくなること(2)北部の全ての飼いネコが適正飼養され、飼い主不明ネコがいなくなること(3)北部以外からネコが流入しない状態とすること―の三つを目標としている。

 目標達成に向け、ネコの生息状況のモニタリングや捕獲、不妊去勢手術率向上など3村のネコ飼養条例による飼いネコ管理、捨てネコ防止のため教育現場の普及啓発や警察との連携に取り組む。

 計画の実施期間は、24年1月から32年度にかけて約10年。中間年には生態系の専門家を交えて取り組み内容の見直しなどを検討する。年内には3村で住民説明会を開く。

 計画案には、県に647の個人・団体から1090件、大宜味村に1件のパブリックコメントが寄せられた。「希少動物の犠牲はロードキルの方が多いと思う」「希少種の絶滅はネコのせいではない。捕獲や殺処分はやめるべきだ」という声などが寄せられた。県自然保護課は「(計画を)理解いただけるよう丁寧に説明していきたい」としている。

 (慶田城七瀬)