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伊江島の日本軍壕、2日目も見つからず きょう最終日、当時村長の証言地点を掘削へ 厚労省


伊江島の日本軍壕、2日目も見つからず きょう最終日、当時村長の証言地点を掘削へ 厚労省 琉球石灰岩の壁に沿うように掘り進めるショベルカー=1日、伊江村東江上
この記事を書いた人 Avatar photo 金城 大樹

 【伊江】沖縄戦の伊江島の戦闘で106人の日本兵などが戦死したとされる地域にある日本軍壕(ごう)の特定に向けた厚労省の試掘調査2日目は1日、米軍の資料や村民の証言を基に推定した地点を午前8時半から同午後5時ごろまで重機で掘ったが、壕の入り口は見つからなかった。調査は2日が最終日。

 試掘地点は、村東江上の家畜市場から東にある段丘地帯。1日の調査は初日より試掘範囲を広げ、ショベルカー2台で掘削した。作業の途中で見つかった琉球石灰岩の壁に沿うように長さ約50メートル、深さ約7メートルを掘削したが、入り口の発見には至らなかった。

 また、1980年代の国の遺骨調査に同行し、調査当時の村長から証言を聞いた元村厚生課長の内間亀吉さん(85)が、壕の入り口がある可能性が高いと指摘する地点も掘削したが、1メートルほどで石灰岩にぶつかり、入り口は見られなかった。

 調査に参加している厚労省社会・援護局事業課事業推進室の手塚直樹室長補佐は「証言のあった場所も掘削したが発見には至らなかった。調査できる時間は限られているが、できる限り調査したい」と話した。

 2日は当時の村長が証言したという地点を、範囲を広げ再び掘削する予定。

(金城大樹)