自衛隊、公道使い移動 中城湾港から車50台 玉城デニー知事、演習認めるも「県民にさまざまな不安」 沖縄


自衛隊、公道使い移動 中城湾港から車50台 玉城デニー知事、演習認めるも「県民にさまざまな不安」 沖縄 中城湾港から公道に出る自衛隊車両=10日午前9時57分、うるま市(ジャン松元撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 自衛隊最大の実動演習「自衛隊統合演習」が10日、始まった。日本政府が自衛隊による民間インフラの利用拡大を図る中、初日は自衛隊車両が民間船舶を使って中城湾港に陸揚げされ、公道を通って県内各自衛隊施設に移動する様子が確認された。玉城デニー知事は同日の定例会見で演習は認める考えを示した上で「民港や公道を使った大規模な演習の実施は、県民にさまざまな不安を生じさせている」と注視する姿勢を示した。中城湾港前では市民らが抗議の声を上げた。 

 防衛省がチャーターした民間船舶(PFI船)「はくおう」は10日午前6時50分ごろに中城湾港の西埠頭(ふとう)に接岸した。7時35~43分に船から車両約50台が降ろされた。その後車両は隊列を作り、午前9時55分に湾港のゲートを出発した。

 車両はうるま市の勝連分屯地と沖縄市の白川分屯地、那覇市の那覇駐屯地などに移動するのが確認された。

中城湾港から国道58号を走行し、南へ向かう自衛隊の装甲車=10日午前11時6分、那覇市奥武山町

 一方、沖縄県は演習開始に先立つ9日、沖縄防衛局に対し、演習実施にあたって県民生活や事業活動への影響を最小減にすること、必要な情報を地方自治体や住民に提供することなどを求めた。

 那覇空港では10日午後、C2輸送機から陸自の16式機動戦闘車(MCV)が降ろされる様子が確認された。MCVはその後、公道を使って那覇基地から那覇駐屯地へ移動し、基地警備訓練に使用される。(知念征尚、石井恵理菜)

C2輸送機から積み下ろされる陸上自衛隊の16式機動戦闘車=10日午後1時9分、那覇空港