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開廷20分で「弁論終結」宣言 辺野古サンゴ訴訟 県側代理人「一番重要なのは必要性」


開廷20分で「弁論終結」宣言 辺野古サンゴ訴訟 県側代理人「一番重要なのは必要性」
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 名護市辺野古の新基地建設に向け、国がサンゴ類移植の許可を求めている大浦湾では、軟弱地盤の埋め立てに関する設計変更申請を県は承認していない。この日の法廷では、この点が争われた。県側、国側双方の意見陳述が終わると、裁判長は開廷から20分余りで「弁論終結」を宣言した。

 県側の代理人は「仮に沖縄防衛局が、承認がないまま、埋め立て事業を進めるような暴挙を行う恐れがあるのであれば、サンゴ類の避難措置を行わなければならない。しかし、そのようなことを行うことはないはずだ」と指摘。移植した先のサンゴの生残率が高くはないことも主張し、移植を不許可にした県の対応が「むしろサンゴ保護の観点からは、望ましい状況」と正当性を訴えた。

沖縄県名護市辺野古の沿岸部(共同通信)

 これに対し、国側の代理人は、設計変更申請の不承認を巡る訴訟で、最高裁が県の上告を棄却していることを指摘。「県の違法な事務処理状態を解消するために速やかに判決を」と主張した。

 傍聴した宮平光一さん(77)は即日結審したことについて「納得できない。『最高裁で判決が出たから早く判断を』と国側は言うが承認手続きは終わっていない」と憤った。

 県側代理人の加藤裕弁護士は「一番重要なのは必要性。埋め立てもスタートしていないのに、サンゴの移植だけ許可してくださいと言うのは普通ない」と国の主張に疑問を呈した。

(南彰)