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久高容疑者の自宅から500万円領収証 県警が押収、本人は受領を否定


久高容疑者の自宅から500万円領収証 県警が押収、本人は受領を否定 カラーコピーされた額面500万円の領収証(画像の一部を加工しています)
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 那覇市有地の所有権を巡り、当時同市議会議長だった久高友弘容疑者(75)=那覇市=ら計5人が摘発された贈収賄事件で、久高容疑者の自宅から2020年12月18日付の額面500万円の領収証が見つかり、県警が押収していたことが17日までに、関係者への取材で分かった。久高容疑者は12月の受領について「天地神明に誓って500万円は受け取っていない」などと、7月の記者会見などで否認を続けてきた。

 県警特別捜査本部は、久高容疑者らが500万円と5千万円の2度にわたり現金を受領したとして、このうちの5千万円が賄賂に当たるとみている。これまでに久高容疑者と、土地の所有権回復を求める女性の後見人(71)=那覇市=の2人の署名と押印がある額面5千万円の領収証(21年2月8日付)を押収している。

 関係者によると、自宅から見つかった領収証の宛名は、贈賄容疑で書類送検された不動産コンサルタント元代表(73)=那覇市=の会社で、2月の領収証との違いは署名と押印が久高容疑者1人という点。

 久高容疑者は逮捕前の琉球新報の取材に「500万円を取った覚えもないけれども、(警察は)領収証が僕の部屋から出てきたと言っている。持っていた自覚はない」と話した。久高容疑者によると、12月18日は市議会の会期中で、贈賄容疑で送検された元総会屋の男(80)=鹿児島県=らと面会したことも議長室に入れた覚えもないという。「(12月は)会ってもないし、金も受け取ってない。天地神明に誓って間違いない」と事実無根だとした。

 一方、久高容疑者の代理人弁護士によれば、久高容疑者は21年2月に受領した5千万円については、所有権回復を求める女性の後見人から調査費として3500万円を受け取ったとして収賄には当たらないと否認していて、逮捕後の取り調べに黙秘しているという。

 捜査関係者は、この3500万円に関して、後見人と久高容疑者の間で現金のやりとりが認められる領収証などの物証は、これまでに確認されていないという。

 事件を巡っては、関連する複数の領収証が確認されていて、中には信ぴょう性が乏しいものもある。女性の後見人は逮捕前、受け取った現金を自身が全額受領したと見せるために久高容疑者と相談の上、額面3千万円の領収証を偽造したと証言している。偽造領収証は警察に提出したが、すぐに見破られたという。