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「信じられない速さで軍拡が」与那国、石垣、宮古…各地から報告<県民平和大集会>


「信じられない速さで軍拡が」与那国、石垣、宮古…各地から報告<県民平和大集会> 主会場のフィールドの外側から登壇者に拍手を送る参加者=23日、那覇市の奥武山公園陸上競技場(ジャン松元撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

「沖縄を二度と戦場にしない」。23日の「県民平和大集会」にはその思いを共有する人々が集まった。既に県内各地で自衛隊や米軍による訓練は増加している。地域社会への影響も各地から報告され、連携が呼び掛けられた。


島の自治 国に翻弄され

 狩野史江さん(与那国島の明るい未来を願うイソバの会) 人口増と経済活性化をうたった基地誘致だったが、人口流出は止まらずに自衛隊の比率は増え続け、島の自治が国によって翻弄(ほんろう)されていることが悔しい。ミサイル基地造設や貴重な自然をつぶして軍港にする計画まで出ている。島がどんどん軍拡で荒らされ続けていて、島を守っていこうという意思が強くなっている。皆さん一緒に頑張っていこう。

先島、説明ないまま軍拡進む

 内原英聡さん(石垣市議) 宮古・八重山は信じられない速さで軍拡が進む。石垣駐屯地が3月に開設し、日米の共同訓練も行われるなど市民への事前説明がないままに次々と計画が進められている。自衛隊配備計画を巡り、2018年に若者が中心となって署名を集めて住民投票実施を求めたが、市長はいまだに実施しない。厳しい状況が続くが集まったみなさんと連携していきたい。

基地あるがゆえに危険

 福里猛さん(宮古島平和ネットワーク) 日米両政府は台湾有事をあおり、南西諸島の軍事化を進めている。4月には陸上自衛隊のヘリが伊良部島沖で墜落したが、基地あるがゆえに危険と隣り合わせであることを実感させられた。宮古島は全ての生活用水を地下水でまかなっている。戦争になれば汚染され、私たちは島に戻ることができるのだろうか。戦争を絶対にさせないことを求めていきたい。

連帯を全国に広める

 照屋寛之さん(ミサイル配備から命を守るうるま市民の会) うるま市にミサイル配備が決定してから2年になるが、戦後78年にしてミサイルの恐怖におびえるのはおかしい。命と暮らしを守るのが政治。戦争が国民の暮らしを破壊するのはウクライナやガザを見れば明らかだ。これを絶対に許してはならない。今回県外からも多くの参加があった。連帯によって再び沖縄を戦場にさせない闘いを全国に広めよう。

対話と外交で信頼構築

 島袋恵祐さん(自衛隊弾薬庫等建設に反対する沖縄市民の会) 戦争につながる基地建設は許されない。兄は自衛隊の訓練中に帰らぬ人に。あざだらけにもかかわらず事故の一点張りで自衛隊は組織防衛のために兄の尊厳を奪った。安保3文書は隊員が殺し殺される状況をつくろうとしている。いかなる戦争にも反対し対話と外交で信頼と平和構築を努力することを求める。戦争をなくすために私たちも行動しよう。

自然と平和 子や孫たちに

 浦島悦子さん(ヘリ基地反対協議会) 1997年の市民投票で、名護市民が辺野古新基地反対の意思表示をしてから26年がたつ。闘いの中で子や孫たちに残すべきものは自然と平和以外にないことを確信してきた。命を育む海を、森を戦争のために使わせてはならない。この場所にさまざまな世代が一堂に会している。命のバトンを受け継ぎ、ここから基地のない、戦争のない未来を共につくりだそう。

戦争はしないさせない

 関誠之さん(奄美ブロック護憲平和フォーラム) 2019年に奄美大島に駐屯地と分屯地が開設され、開いた途端にミサイル部隊が来ることになった。国は防衛費を43兆円も増大させようとしている。日米合同訓練が繰り返されているが、これは南西諸島を捨て石にして米本土を守るというのが真実ではないか。国会議員には戦争はしない・させない、国を守る前に我々の命を守れと言いたい。連帯して頑張ろう。