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「サンゴつぶしてまで造る価値どこに」若い世代も危機感 新基地反対の県民大行動に熱気 沖縄・辺野古 


「サンゴつぶしてまで造る価値どこに」若い世代も危機感 新基地反対の県民大行動に熱気 沖縄・辺野古  集会で歌声を披露するジャズシンガーの儀保貴子さん=2日、名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブゲート前(大城直也撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 武井 悠

 2日に実施された名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブゲート前での県民大行動。冷たい風が吹く曇り空の下、辺野古新基地建設に反対する約800人(主催者発表)の熱気があふれた。11月29日に鹿児島県・屋久島沖で起きた米空軍の輸送機CV22オスプレイの墜落事故を受け、参加者からは墜落後も県内で飛行を続ける米軍への批判やオスプレイの安全性に対する疑問の声などが挙がった。若い世代も危機感を募らせた。 

 県や宜野湾市がオスプレイの飛行停止を求める中、米軍は宜野湾市の普天間飛行場などからの離着陸や飛行を続けている。琉球大4年の橋爪翔さん=宜野湾市=は墜落翌日に大学の上空を飛ぶオスプレイを目撃し「許せない。(飛行継続は)玉城デニー知事や県民の反対を踏みにじっている」と憤った。橋爪さんの誘いで初めて参加した国生潤さん(24)=鹿児島県=は「鹿児島県民からも今回の墜落に驚きの声が出ている。屋久杉などが生える世界遺産区域に落ちたらどうするのか」と訴えた。

 比嘉一幸さん(75)=西原町=はオスプレイの県内配備時の日米両政府の対応を批判し「危険性は高いと当時から言われていた」と話した。

 若者代表として登壇したジャズシンガーの儀保貴子さん(36)は新基地建設反対の理由の一つに環境問題を挙げ、「貴重なサンゴをつぶしてまで基地を造る価値がどこにあるのか。政府はSDGsを推進しているが、これ以上基地を造らないこと、戦争をしないことが環境にいい」と訴えた。初めてゲート前を訪れた儀保さんは「今度は若い世代の友人も連れて来たい」と笑った。

 新基地建設工事の設計変更申請の承認を巡り、国が提起した代執行訴訟の判決が20日に言い渡される。幸地朝昌さん(77)=糸満市=は「県民は苦しんでいる。県民の意思を尊重した判決をしてほしい」と求めた。
 (武井悠)