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宜野湾市民 危険除去に切実な声


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 【宜野湾】代執行訴訟で県が敗訴したことを受け、米軍普天間飛行場の周辺住民からは、民意を無視する国への憤りや早期の危険性除去を求める切実な訴えが聞こえた。
 故郷が同飛行場の中にある玉那覇祐正さん(90)=市宜野湾=は「辺野古の工事が進めば普天間の返還も近づく。故郷に戻れると思うと、うれしい」と語った。一方で沖縄戦の経験から「悲惨な戦争を体験した後もなお、基地が置かれ続けている。またしても名護へのたらい回しだ。素直に喜ぶことはできない」と声を落とした。
 宜野湾市役所を訪れていた建設業の男性(20)=市普天間=は「生まれたときから飛行場は身近にあった。慣れたとはいえ、騒音はうるさいと思う。街の真ん中から移設するのはいいんじゃないか」と話す。
 医療関係の女性(53)=市嘉数=は「騒音が迷惑だった。移設されれば落下物の不安も解消される。名護の人には申し訳ないが、沿岸への移設は仕方ない」と複雑な心境を語った。
 看護師の女性(65)=市嘉数=は「県民が基地はいらないと必死に訴えても国に認めてもらえないのは悔しい。過去の戦争は国の政策の失敗だったが、辺野古の新基地建設も同じだ」と憤った。 (名嘉一心)