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「なりふり構わぬ国の姿勢」「話進み安心した気持ちも」…沖縄県敗訴 県民の受け止めは 辺野古代執行訴訟


「なりふり構わぬ国の姿勢」「話進み安心した気持ちも」…沖縄県敗訴 県民の受け止めは 辺野古代執行訴訟 埋め立て工事が進む米軍キャンプ・シュワブ沿岸
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 沖縄県に設計変更の承認を命じた福岡高裁那覇支部の判決に、県民からは落胆の声が上がった。

 「何と言えばいいのか」。宮古島市の下地恵子さん(67)はため息を漏らした。「司法の独立はないと思われる判決だ。期待していなかったが、落胆した」と声を落とした。安保関連3文書の閣議決定や政府が進める南西諸島の軍備増強に触れ「宮古島では住宅の近くに陸自の弾薬庫が造られた。なりふり構わず軍事施設を造る国の姿勢を、国民は許していいのか」と訴えた。

 東村の伊佐育子さん(63)は「国の対応はなりふり構わない。何があろうと一度決めた方向に突き進む。強行的な政治になっている」と危機感を示す。辺野古新基地建設に伴い、北部訓練場のヘリパッドから離着陸する機体が増加する可能性もあり「高江はこれからどうなるのか」と不安を口にした。

 米軍基地の影響を多く受け「基地の街」と言われてきた沖縄市に住む女性(44)は「判決を聞き、がっかりした。一番大事なのは市民の声のはずなのに、『社会公共の利益を害する』という判決は理解できない」と話した。同市で子育て中の男性(50)は「結果に関しては複雑な思いだ。基地には反対だし、知事は地元の人で当然応援したいが、子どもたちにこの問題を引き継がせたくない思いが強い。話が進んで安心した気持ちもある」と心境を明かした。

(友寄開、武井悠、福田修平、藤村謙吾)