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代執行「腹立たしい」 県民投票関係者 知事に再撤回要請


代執行「腹立たしい」 県民投票関係者 知事に再撤回要請 「辺野古」県民投票の会の元山仁士郎代表(中央)ら=2019年2月24日、那覇市の教育福祉会館
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 辺野古埋め立ての賛否を問う2019年2月の県民投票では、有効投票の72%が「反対」に票を投じ、反対の意思が示された。投票を実現させた「『辺野古』県民投票の会」の関係者からは、国の代執行について「腹立たしい」「民主主義の軽視だ」という声が聞かれた。同会の有志らは20年に玉城デニー知事に県民投票の結果を生かして再撤回を要請しており、「今こそ再撤回を」という声も上がっている。
 「辺野古」県民投票の会元代表の元山仁士郎さん(32)は「アジア太平洋戦争への反省から確立された地方自治の下で、県に与えられていた埋め立ての権限を日本政府が奪い、自らやるしかないところまで追い詰めたとも捉えられる」と知事や県職員らをねぎらった。先月死去した創価学会名誉会長の池田大作氏の思いにも触れ、公明党の国交相が「あっさりと沖縄の民意をも埋め立てる決定を下した」と批判した。
 同会副代表の安里長従さん(51)は辺野古移設が「そもそも『本土の理解が得られないから』という理由も、沖縄に地方自治が認められないのも沖縄への差別だ」と指摘。憲法14条で定められた「平等権」の侵害だと見る。県は、県民投票の結果や平等権の侵害を理由に13年の仲井真弘多元知事による承認を再撤回し、法廷で正面から差別の問題を問うべきだとした。
 同会の請求代表者を務めた大城規子さん(74)は「国は県民投票の結果を無視しており、腹立たしい。知事の『民意こそ公益』という主張は誇らしい。県民投票の結果を今後も活用してほしい」と期待を寄せる。久高政治さん(75)は辺野古新基地建設は南西諸島の軍事強化の一環だと述べ、「県民投票のように県民が軍事強化に対して意思を示していく必要がある」と語った。 (中村万里子)