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国交省に大勢の報道陣 防衛相「普天間返還の節目」


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 【東京】史上初となった代執行の手続きが行われた国土交通省の庁舎には、28日午前9時ごろから大勢の報道陣が詰めかけた。
 国交省が事前通知していた手続きの開始時刻である午前9時30分には、公有水面埋立法を所管する水資源・国土保全局水政課の前に数人の記者が集まり、中の様子をうかがうなどした。
 「午前10時ごろ承認した」。午前10時15分すぎに姿を見せた水政課長は、取り囲んだ記者らにそう告げた。史上初の行政手続きの執行が明らかになった瞬間だった。
 取材に応じた同課長によると同日午前、斉藤鉄夫国交相が大臣室で承認書を決裁。同課長が、大臣印が押された文書を同省内の会議室で、沖縄防衛局の職員に直接交付したという。
 午前11時55分。防衛省では「代執行」の一報を受けて木原稔防衛相が緊急会見に臨んだ。
 冒頭で「普天間飛行場の全面返還に向けた一つの節目」と強調し、説明をこう結んだ。「自然環境や住民の生活環境にも十分に配慮しつつ、辺野古への移設工事を着実に進めていく」
 午後5時30分。岸田文雄首相が、首相官邸を後にする際のぶら下がりで代執行に言及した。史上初となる決断に至った理由については「法令にのっとり必要な対応をした」と述べるだけだった。 (安里洋輔)