新基地建設に抗議する県民集会で主催者代表あいさつをした、前名護市長でオール沖縄会議共同代表の稲嶺進さん(78)は1879年の琉球併合(「琉球処分」)を引き合いに出し、「なんでウチナーンチュだけがこんな思いをさせられるのか。がってぃんならん(合点がいかない)。ならんせーならん(駄目なものは駄目)。負けてはならん」とウチナーグチで呼び掛け、満場の拍手を受けた。
日差しを受け「暖かくなってきた」と穏やかな表情で始めたスピーチは徐々に熱を帯び、終盤は「政府は沖縄を領土の一部としか見ていない。われわれは100年以上耐え忍んできた」と声を張り上げた。
集会後、記者にスピーチ時の心境を問われ、「暖かい正月を迎えたが『丁寧に説明する』という政府のぽかぽか陽気のような態度にだまされることのないように、との思いを込めた」と説明した。
「歴史を理解してもらうことで若い人にも伝わる。政府の差別は許されることではない、という思いが900人という参加につながった」と建設阻止へ決意を新たにした。
(増田健太)
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力込め「負けてならん」 前名護市長の稲嶺進さん
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琉球新報朝刊