有料

2派閥会計責任者 立件へ 特捜 議員処分 来週にも判断


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 自民党派閥の政治資金パーティーを巡る事件で東京地検特捜部が政治資金規正法違反の疑いで、安倍派(清和政策研究会)と二階派(志帥会)の会計責任者を立件する方針を固めたことが12日、関係者への取材で分かった。通常国会が召集される予定の26日を控え、来週にも安倍派幹部や所属議員らについて、刑事処分の最終判断をする。
 安倍派が派閥の政治資金収支報告書の訂正に合わせ、裏金を受領した所属議員に対し、関連政治団体の収支報告書を一斉訂正するよう要請したことも判明した。
 安倍派では組織的な裏金づくりが慣行になっており、会計責任者と、派内の実務を取り仕切る事務総長経験者の幹部議員との共謀を問えるかどうかが焦点。また特捜部は受領した裏金が高額とされる同派の大野泰正参院議員(岐阜選挙区)、谷川弥一衆院議員(長崎3区)の立件に向け、詰めの捜査を進めている。関係者によると、大野氏は関与を否定し、谷川氏は認めているという。
 安倍派での収支報告書の訂正を巡っては、派閥側と議員側で還流額の認識が異なるケースがある。特捜部の判断を踏まえ、検討する事務所もあるという。
 安倍派も二階派も、パーティー券の販売ノルマ超過分を収支報告書の収入に記載せず議員側に還流。安倍派では支出にも記載せず、受領した議員側も収入として書いていなかった。
 安倍派では逮捕された池田佳隆容疑者(57)=自民除名=を含む所属議員99人の大半が還流を受けていた。2018年以降の5年間で約5億円が還流。十数人の議員側がノルマ超過分を派閥に納めず、手元に少なくとも計約8千万円をプールしており、裏金は6億円規模になる可能性がある。
 二階派では、会長の二階俊博元幹事長ら複数の議員側が同様にプールしていたとされ、5年間で約1億円に上るという。収支報告書の不記載額は数億円とみられる。