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輪島の中学250人避難へ 能登地震 珠洲、能登も対象に


輪島の中学250人避難へ 能登地震 珠洲、能登も対象に 4県の被害状況(日午後4時現在)
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 石川県輪島市は13日、能登半島地震を受けて調整している全3市立中の生徒約400人の集団避難に関し、保護者への意向調査で半数超の250人が避難に同意したと明らかにした。移動時期など調整を本格化させる。被災自治体では、珠洲(すず)市と能登町も同様に避難させる方針を固め、被災自治体で3市町の生徒約850人に集団避難の対象が拡大。県は受け入れ施設の準備を進めた。 (7面に関連)
 馳浩知事は記者団に「思春期のお子さんを手放すのは耐えがたいと思うが、子どもの成長では、教室の仲間と一緒にいた方が良い場合もある」と説明。一方で「親元の方が心の安定を保てるとの判断もある。柔軟に対応したい」とも述べた。
 県によると、13日午後2時時点での死者は220人で、うち災害関連死は13人だった。輪島市は「死亡日時の特定や状況を再確認して、総合的に判断した結果」として、12日に災害関連死と計上していた1人を取り下げた。安否不明者は26人。
 3市町は学習環境が確保できないと判断し、集団避難の判断に傾いた。小学生に関しては、精神面の影響が大きいとみて対応を見送る方向だ。
 輪島市によると、避難期間は最大2カ月程度を見込んでいる。具体的な移動日程は未定で、県と協議する。移動前に辞退者などが出る可能性もあるとしている。
 県が受け入れを想定しているのは県南部の白山市の宿泊研修施設「白山青年の家」と「白山ろく少年自然の家」。輪島市は2カ所を滞在先として、他の2市町に先行して県と調整を進めている。
 2カ所の施設では13日、生徒の食事を作る態勢確保や設備点検などが実施された。担当者は「県や輪島市からは『施設はフル稼働になるだろう』と聞いている」と話した。
 珠洲市は中学生が199人で、輪島市と同じ施設を想定。15日ごろまでに保護者の意向を取りまとめ、同行する教員数などの詳細を詰める。珠洲市関係者は「学習機会を確保する一つの選択肢として提示した」と述べた。
 能登町は約250人の生徒の保護者らに対し、避難方針をメールなどで周知した。15日を回答期限に設定して意向を集約する。町関係者は「3年生の高校受験に影響が出ないことを一番に考えている」と語った。