有料

「不安だし、寂しい」 能登地震 中学生きょう集団避難


「不安だし、寂しい」 能登地震 中学生きょう集団避難 石川県輪島市から白山市への集団避難を前に、冬休みの宿題を手にする輪島中3年の小路射央太さん。左は母の奈緒さん=16日午前、石川県輪島市
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 能登半島地震の被災地で学校再開の見通しが立たない中、石川県輪島市の中学生が17日、約100キロ南の同県白山市の施設に集団避難を始める。16日には、傾いた自宅に生徒と保護者が戻って荷造りをする姿が見られ、故郷を離れることに「不安だし、寂しい」との声も聞かれた。 (3面に関連)
 16日午前、輪島中3年の小路射央太さん(15)は母の奈緒さん(50)が運転する車で、避難先の大屋小から約5分の自宅に向かった。集団避難に備えた荷造りのためだ。築140年という2階建ての木造家屋は大きく傾き、玄関の引き戸もゆがんで開かず、縁側から居間に入った。
 「友達とキャッチボールがしたい」。居間の棚に保管していた真新しい赤いグラブを手に、射央太さんが言う。中学では野球部に所属。高校でも続ける意志を示した射央太さんに、両親が一足早くプレゼントしたものだ。
 ボストンバッグに当分の下着や衣服、リュックサックには筆記用具、やりかけの冬休みの宿題を詰め込んだ。
 地元の県立門前高への進学を希望し、受験を間近に控える。「勉強に集中できる」と、白山市への集団避難を決めたが、どんな生活になるのか詳しい説明はまだないといい「テレビは見られるのか、土日はゆっくり過ごせるのか」と不安ものぞかせた。奈緒さんは「体調を崩しやすい子なので、誰かが面倒を見てくれるといいが」と表情を曇らせた。