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「静かな夜を 当たり前に」 嘉手納爆音、原告弁論


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 米軍嘉手納基地周辺8市町村の1万2049世帯、住民3万5566人(提訴時)が、米軍機の騒音で睡眠妨害や身体的被害などを受けているとして、夜間・早朝の飛行差し止めや損害賠償などを国に求めている「第4次嘉手納爆音訴訟」の第4回口頭弁論が18日、那覇地裁沖縄支部(足立堅太裁判長)で開かれた。会社員の30代男性原告が「私たちは『静かな夜を』当たり前にし、明るい朝、明るい未来を迎えたいだけだ」と意見陳述した。
 北谷町砂辺で生まれ育った男性は現在は同町宮城に住み、4次訴訟から参加。妻が難聴の疑いと診断されたり、爆音により小学校で娘の晴れ舞台の演技が中断したり、未明の騒音に家族全員が驚いて目が覚めたりしてきた。「これ以上被害を押し付けないよう早期に抜本的な解決をしてほしい」と力を込めた。
 原告弁護団は、提出書面の要旨を陳述し、騒音暴露の甚大さは異常などと主張した。国側の代理人は、嘉手納基地が「高度な公共性を有する」と強調。国の騒音対策などが「十分斟酌(しんしゃく)されるべきだ」と訴えた。