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「子の体験保障」考える オンラインシンポ 離島の課題など議論


「子の体験保障」考える オンラインシンポ 離島の課題など議論 子どもの体験格差について意見を交わす、右上から時計回りに安田陽さん、今井悠介さん、幸地(落合)千華さん、久保田真弘さん、石垣綾音さん(ズーム画面より)
この記事を書いた人 Avatar photo 吉田 早希

 コロナ禍で可視化された「子どもの体験格差」を考えるオンラインシンポジウム「沖縄における子どもの体験保障とこれからについて」(琉球新報社・スタジオレゾナンス共同事業体主催)が10日、開かれた。登壇者が国内と県内離島の現状や課題を踏まえ、子どもの体験保障の在り方や課題解決に向けて意見を交えた。

 前半は、チャンス・フォー・チルドレンの今井悠介さんと、多良間村教育委員会の桃原薫さんが子どもの体験保障と離島の問題をテーマに議論した。桃原さんは、島外から人を招いた授業ができないなどコロナ禍の影響を語り、「体験は子どもが成長する一番の力になる」と話した。今井さんは、体験保障はオンラインなどの技術で費用を抑えることが難しい分野であると指摘。「体験は五感を使うことが重要な要素の一つ。リアルと配信を組み合わせながらどう地理的ハンデを乗り越えるか、今後の大きな可能性がある」と語った。

 後半は今井さんと安田陽ブランディング研究所の安田陽さん、みらいファンド沖縄の幸地(落合)千華さん、スタジオレゾナンスの久保田真弘さんが登壇。沖縄の子どもたちの体験保障問題に対する有効な手段について議論した。配信技術で体験を提供する仕組みについて、幸地さんは「どういう層にどうアプローチできると格差が縮まっていくかを整理していく必要がある」と話した。

 みらいファンド沖縄の平良斗星さんが冒頭で事業概要などを説明し、まちづくりファシリテーターの石垣綾音さんが進行を務めた。

 (吉田早希)