殺人容疑の男に放置された女性、道路中央で数分以内にひかれる


殺人容疑の男に放置された女性、道路中央で数分以内にひかれる パトカー(資料写真)
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 沖縄県宜野湾市の国道58号でパート店員の女性(58)同市=を道路上に放置しタクシーにひかせて殺害したとして、殺人容疑で建設作業員の男(30)=同=が逮捕された事件で、男が女性を道路中央に放置し、その数分以内に走ってきた車両にひかれたことが12日、沖縄県警への取材で分かった。

 男は女性の両手をつかんで引きずり、歩道側から道路中央の第2通行帯に倒れた状態で放置した後、現場を離れたという。

 男は被害関係者とトラブルになったとして、脅迫容疑で今月1日に逮捕された。処分保留で12日に釈放された後、殺人容疑で再逮捕された。

 事件は1月27日午前2時過ぎ、宜野湾市の国道58号那覇向け車線で発生。走行してきたタクシーが車道に横たわっていた女性をひいた。女性は本島中部の病院に搬送され、全身打撲・圧迫による全身損壊で亡くなった。

 県警によると、男は女性と同市内の飲食店で飲酒し、2人でタクシーに乗り現場付近で降車した。事件発生の通報が入る直前には「路上で男が女を引きずっている」などと通行人から110番通報があった。男は女性と交友関係などを巡ってトラブルになり、県警はこれまでに4回通報を受けた。いずれも女性側の意向に基づき指導や警告を行ったという。

 男の元同僚らは「酒が好きだったが、酒癖は悪くなかった。過度に飲酒することが多く心配する人もいた。どこにでもいる普通の人という印象」と話す。女性の知人は「女性が酩酊(めいてい)状態になるのは珍しく、飲酒後に路上寝するとは考えにくい。不可解な亡くなり方だと思っていた」と話す。知人女性によれば、2人の関係はいざこざやトラブルはあったものの、数カ月前は良好に見えたという。

 県警は27日、仲本貴宜野湾署長を長とする捜査員70人体制の合同捜査本部を設置し、殺害にいたった経緯など、詳しく調べている。