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【識者】違法な債務や取り立て「泣き寝入りせず専門家に相談を」 ヤミ金被害防止について安里長従氏(県司法書士会常任理事)に聞く 


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【識者】違法な債務や取り立て「泣き寝入りせず専門家に相談を」 ヤミ金被害防止について安里長従氏(県司法書士会常任理事)に聞く  安里長従氏
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 沖縄県警や行政、沖縄弁護士会など13機関で構成される県ヤミ金融被害防止対策会議に寄せられた2022年度の相談件数は507件(前年度比62件増)に上る。従来のヤミ金は県内に拠点を置く「地場系」と海外を含む県外拠点の「県外系」に分かれていたが、県外系が沖縄に流れ込む状況にありハイブリッド化しているとみられる。

 誘客の手法は街中に張られたビラなどからインターネット広告、交流サイト(SNS)へと移行し「ブラックリストOK」「即融資」などと優しい文言で巧妙に誘い込むものが主流化している。スマートフォンを使い家族や職場などの個人情報を送らせ、貸し付け手続きは誰でもSNSで容易にできてしまう。

 一度ヤミ金を利用すると、ヤミ金業者らに精神的に追い込まれ従属的に支配される。彼らと手を切ろうとしても、簡単にはいかない現状がある。

 県内では、雇用形態が不安定な建設関係やサービス業の若者らが、被害者にもヤミ金業者にも流れてしまう傾向がある。そもそもヤミ金の債務は返済義務はなく、泣き寝入りする必要はない。一歩踏み出して、対策を取れば解決につなげられる。ひとりで悩まず、まずは警察や弁護士会、司法書士会などに相談してほしい。