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那覇市内に住む60代男性は、容赦ない取り立ての架電、通称「鬼電」に連日悩まされている。何人ものヤミ金業者が入れ替わり立ち替わり電話をかけてくる。「もう数年になる」と力なく語る。
14日、琉球新報の取材に応じた男性が“ヤミ金業者”の一端を明らかにした。以前の取材の際も携帯電話の着信を知らせる液晶は間断なく点滅を繰り返していたが「今も状況に変わりはない。昨日は30件ぐらいだったが、いつも100件は普通」と言う。
男性が金を借りた業者の「月利は40%」。法定金利をはるかに超える。利子に利子がつく複利のような仕組みで、そのうち利子を払うためだけに別の業者からお金を借りて返すを繰り返すようになったという。不思議に思うのは、返済に困っていると「タイミングよく別の業者から営業の電話が掛かってくる」こと。「終わりのない取り立てに心身を追い込まれ、思考停止し支払い続けるしかなくなる」と語る。
県内のヤミ金事情に詳しい男性は「生活困窮者がさらなる貧困を生む沖縄の社会構造を変えない限り、ヤミ金被害はなくならない」と指摘する。
一連の報道を受け、しばらくはヤミ金業者の活動は縮小が予想されるが「いずれは形を変え活動する。ヤミ金に手を出さざるを得ない人はたくさんいるから」と話す。