ヤミ金メンバー9人逮捕 沖縄県警 高金利で4億円を貸し付け疑い SNS介し離合集散


ヤミ金メンバー9人逮捕 沖縄県警 高金利で4億円を貸し付け疑い SNS介し離合集散 容疑者立ち会いの下、バイクを捜索する捜査員ら=14日、本島中部
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 沖縄県警は14日、交流サイト(SNS)で誘客し、法定金利を超える高金利で県内の30~60代の男女計4人に複数回にわたり現金数万円を貸し付けて利息を得ていたとして、出資法違反容疑で沖縄県内に活動拠点を置くヤミ金グループメンバーの男9人を逮捕した。男らはSNSなどを介して離合集散を繰り返す匿名・流動型犯罪グループ(通称トクリュウ)のメンバーとされ、債務者は全国に600人以上、貸付総額は約4億円に上るという。トクリュウの摘発は県内初。

 県警は捜査に支障があるとして、認否を明らかにしていない。玉那覇潤沖縄署長を長とする捜査員130人規模の合同捜査本部を14日、設置し、全容解明を急いでいる。

 14日未明に捜査員数十人が捜査車両に乗り込み、グループの関係先複数箇所で家宅捜索を実施。北谷町ではバイクのシート下の収納スペースからキャッシュカードを押収するなどした。容疑者はうなだれ連行された。

 合同捜査本部によると、2021年6月、債権者からの悪質な取り立て行為に関する情報が複数件寄せられた。23年8月には北中城村内のグループ拠点に県警の捜査員が踏み込み、顧客名簿などの電子データやパソコン、携帯電話等90点を押収した。グループは無店舗で店名もなく、メンバー間の関係性は希薄。海外の指示役を介してヤミ金業を営んでいたという。関係者によると、指示役は男で、東南アジアなどから指示を出していた。グループは摘発を逃れるため、数年の間で本島中部の拠点を複数回移転していたという。

 逮捕されたのはいずれも宜野湾市の自称塗装工の男(35)、無職の男(52)と、いずれも沖縄市の無職の男(26)、無職の男(35)、建築作業員の男(25)と、いずれもうるま市の自称飲食店経営の男(36)、職業不詳の男(26)、北谷町の自称建築作業員の男(28)、西原町の自称建築作業員の男(28)の9容疑者。

 逮捕容疑は21年12月から23年8月にかけて、共謀の上、高金利で現金を貸し付け、利息を得た疑い。

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