有料

ヤミ金の指示役、国際手配へ カンボジア滞在の県関係者か 「オカムラ」偽名使い、SNSで指示 沖縄県警


ヤミ金の指示役、国際手配へ カンボジア滞在の県関係者か 「オカムラ」偽名使い、SNSで指示 沖縄県警 ヤミ金グループの関係先を家宅捜索する捜査員ら=14日、本島中部
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 緩い組織のつながりで離合集散を繰り返す、匿名・流動型犯罪グループ(通称トクリュウ)と目され、県内を拠点とするヤミ金グループの男9人が出資法違反容疑で逮捕された事件。県警合同捜査本部はグループの指示役とみられる県人関係者で30代の男を特定し同容疑などで近く、国際手配をする方針であることが15日までに、関係者への取材で分かった。男は海外から交流サイト(SNS)などを使って沖縄の拠点メンバーに指示を送っていたとみられ、主犯格の一人とされる。

 関係者によると、男は「オカムラ」などと偽名を使うなどし、無許可で貸金業を営んでいた。県外でもヤミ金業者として知られ、SNSなどで誘客し法定外の高金利で現金を貸し付けていた。

 現在はカンボジアなどの東南アジア方面に滞在し、沖縄を行き来するなどして、国内にいるメンバーらに指示を出していたとみられる。県内の暴力団関係者との接点もうかがえ、背後にさらなる指南役が存在する可能性もあるという。

 合同捜査本部は、押収した帳簿や電子データなどを解析し、組織の実態解明を進めるとともに、指示役の男の行方を追っている。

 同グループは県内を中心に高金利で全国600人以上に総額約4億円を貸し付け、暴利を得ていたとされる。県警によると、グループは債務者の個人情報を管理し数万円程度の小口融資を繰り返していた。滞納者らは執拗(しつよう)に追い込まれ、別の債務者への督促や嫌がらせなど「闇バイト」に従事させられていたという。