日本芸術院の会員とは、国や行政の芸術功労に対する栄典である。日本の芸術に長年貢献してきた功労をたたえるものだ。
東京、大阪、沖縄が日本三大芸能文化圏で、それぞれ江戸、京大阪の上方、琉球という歴史と風土がそれらの芸能文化を生み出している。組踊は1972年に国の重要無形文化財に指定され、日本の伝統芸能の一つに位置付けられた。
70年代半ば頃、組踊が国立劇場(東京)で能や文楽と並んで披露された。卓越した個人の芸能としての芸術性の高さが認知され、日本の伝統芸能の一つとして全国的に広まった。
日本芸術院の会員に選出された宮城能鳳さんは、琉球舞踊や組踊の立方として持続的に活動をされてこられた。その長年の功労が今回の選出につながった。沖縄の伝統芸能が先達(せんだつ)から積み上がってきた結果とも言える。
(日本芸能史)