名護市辺野古の新基地建設に反対する民意と地方自治を守るため、国による設計変更申請の代執行承認の取り消しを求める訴訟が22日、那覇地裁に提起された。辺野古や大浦湾周辺に住んだり、海でマリンレジャー業を営んだりする原告ら30人が、「国がやっていることは間違いだとはっきりさせる裁判にしたい」と決起した。
原告らは22日午後1時過ぎ、玉城デニー知事による変更申請不承認の支持などを訴える横断幕を手に、那覇地裁前に集まった。名護市瀬嵩に住む東恩納琢磨原告団長(62)が、これまでの訴訟で基地建設の違法性の実質審理が尽くされなかったことを受け、「豊かな海を壊すことは必要なのか。中身の審理に入ってほしい」と気勢を上げた。
提訴後、記者団の取材に応じた原告の浦島悦子さん(76)=市三原=は、辺野古関連訴訟で敗訴が続く県に触れ「『県の敵討ち裁判』でもある」と強調。渡具知武清さん(67)=市瀬嵩=は「(基地建設の)これまでの経緯に納得がいかない。気持ちでは絶対に負けない」と力を込めた。
1997年の市民投票や2019年の県民投票で反対の民意が示された後も、強行され続ける基地建設。辺野古に住む金城武政さん(67)は「私たちの意見が受け入れられない悔しさがある」としつつ、「平和な暮らしを求め続けたい」と決意を示した。 (金良孝矢)