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【識者】トップの指導力、不可欠 沖縄のジェンダーギャップ指数 玉城尚美さん(おきなわ女性財団職員)<国際女性デー2024>


【識者】トップの指導力、不可欠 沖縄のジェンダーギャップ指数 玉城尚美さん(おきなわ女性財団職員)<国際女性デー2024> 玉城尚美氏
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 政治、行政や教育の分野で、議員や委員に女性を増やすには、選挙や任命前の準備が重要で、それなしに女性増は望めない。特に政治分野は、2021年に施行された候補者男女均等法の趣旨を踏まえ、有権者や政党が女性議員や候補者へのハラスメント等の改善や女性候補者を増やすなど、ジェンダー平等への知見と取り組みが不可欠だ。

 また4分野における管理職者の男女比は、首長や教育長、企業トップのリーダーシップ発揮が不可欠で、社会の求めに応じた政策を推進することが必要だ。採用を出発点に性別人事配置、監督職登用など数々の事前準備を経て女性増が可能となる。

 経済は、高順位だが手放しで喜べない。東京と沖縄で男女の賃金額を比較すると、沖縄男性は東京男性の66%、沖縄女性は東京女性の71%。男女の賃金格差とともに東京と地方の格差があることも合わせて考えなければならない。

 順位よりも「フルタイムの仕事に従事する者の男女間の賃金格差」と、前提となる「共働きの生活家庭の家事・育児などに使用する時間の男女格差」に注目したい。共働き家庭で家事や育児の負担が女性に偏ることは、高賃金を得られる管理職登用への機会があっても女性が自ら諦めることにつながるからだ。

 23、24年の沖縄の指数を比較すると各分野とも微増だ。指数増は女性を増やす施策や取り組みと関連する。県全体で積極的な推進を図らずにこれまでと同様に足踏み状況のままなら、他県との格差はますます拡大していく。