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「白紙撤回」に地鳴りのような拍手、世代超え一体 「住宅地近くに訓練場はやり過ぎ」 陸自訓練場新設巡り反対集会 沖縄


「白紙撤回」に地鳴りのような拍手、世代超え一体 「住宅地近くに訓練場はやり過ぎ」 陸自訓練場新設巡り反対集会 沖縄 登壇者に拍手を送る参加者=20日午後6時39分、うるま市の石川会館(ジャン松元撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 渡真利 優人

 うるま市石川の石川会館で20日に開催された「住宅地への自衛隊訓練場計画の断念を求める市民集会」。登壇者から「断念」「白紙撤回」という言葉が出るたびに会場からは大きな拍手が巻き起こり、地鳴りのように響きわたった。

 政治的立場を超えて参加者らが集結したほか、幅広い世代が登壇し、計画断念を強く訴えた。
 
 これまでの集会とは一線を画すような独特な雰囲気に包まれた。主催者発表で参加者は約1200人。地元住民らがホールの座席を瞬く間に埋め尽くした。ホール外にも人があふれ、モニター越しに集会を見守った。

 会場には50、60代以上とみられる年齢層の参加者をはじめ、若い世代や子育て世代の参加者もいた。中学2年生の孫(14)を連れて参加した女性(69)は同市石川東山区に住む。計画について「寝耳に水だった。付近には石川青少年の家もある中で不安がよぎった」と話し、断念を求めた。

 同じく石川東山区に住む女性(60)は秋田県での地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の配備計画断念を例に挙げ「市町村一体となって声を上げれば(計画断念が)実現できる」と強調した。

 登壇者が「断念という2文字を勝ち取ろう」「訓練場は必要ない」と力強く訴えると、沸き立つような拍手が会場全体を包み込んだ。

 ホール全体が見渡せる後方席に座っていた50代の夫婦=うるま市勝連=は、自衛隊が災害派遣などで尽力していることに一定の理解を示す。「ただ、住宅地の近くに訓練場はやり過ぎ。誰が決めたのか疑問でならない」と批判した。

 「自由と権利を守るためにここにいる」。高校生代表で登壇した球陽高校1年の小橋川仁菜乃(ひなの)さん。「結果が先で議論が後になっている」と強調すると静寂に包まれた場内から一斉に「そうだ」「その通りだ」と次々と声が上がった。

 最後は「計画断念」への決意を込めた拳を一斉に突き上げ、頑張ろう三唱で締めくくった。

(渡真利優人)