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【記者解説】検証委、人員不足など安全後手を指摘 那覇・認可外保育園の乳児死亡 問われる行政の本気度 沖縄


【記者解説】検証委、人員不足など安全後手を指摘 那覇・認可外保育園の乳児死亡 問われる行政の本気度 沖縄 イメージ
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 わずか生後3カ月の乳児が命を落とした重大事案の発生から1年8カ月を経て検証委員会の報告書がまとまった。

 報告書では再発防止に向けた提言として、保育施設や市に適正な職員配置や指導体制の強化などを求め、国にも法制度見直しを迫った。

 報告書からは検証委として、当時の状況を誰よりも知る元園長からの聞き取りを実施できなかったことへの悔しさがにじむ。元園長に対して「遺族に対して経緯をありのままに伝えるべき責任を果たしていなかった」と厳しく批判した。

 一方、市に対しても遺族に適切な対応ができなかったと問題視した。事故後に市が実施した調査では、この園が人手不足などを理由に安全対策をおざなりにしていた実態が明らかになった。

 この園のように、問題を抱える保育施設は少なくない。報告書でも構造的問題点として、人員不足や受け皿不足などを指摘し、指導徹底など見守り体制の強化にとどまらず、幅広い視点での再発防止策を打ち出した。検証委が提示した再発防止策を今後、どう実効性あるものにしていくか。行政の本気度が問われる。

 (吉田健一)