2022年7月に那覇市の認可外保育園(同年8月に廃止)で、一時預かりされた生後3カ月の男児が心肺停止し、救急搬送された後、死亡した。この事案について、那覇市の検証委員会が報告書をとりまとめ、25日に知念覚那覇市長に答申した。報告書について識者に見解を聞いた。
報告書では那覇市に対して保育園への指導強化を求めているが、その中には、予告なしの抜き打ちでの立ち入り調査の実施を具体的に盛り込むべきだったのではないか。抜き打ち調査によって、普段の保育の中で安全確保ができているか見ていかないといけない。
さいたま市では私の長女がうつぶせ寝で亡くなる事故が発生した後、抜き打ち調査を始め、事故防止につながっている。沖縄は認可外保育施設が多いが、だからこそ施設に頼りっぱなしではなく、行政がきちんと把握する必要があるのではないか。
当該園では事故防止マニュアルがない、ベビーベッドに複数の乳児を寝かせるなどしていたと報告されているが、これだけずさんな保育施設がいまだに運営されていることが怖いと感じた。そのような保育施設に頼らないとやっていけないという構造も問題だろう。
行政は今回の事案をずさんな保育施設で起きたことと片付けるのではなく、構造的な問題として捉える必要がある。危なく、ずさんな保育施設に頼らなくても良い状況にしない限り、同様の事案はなくならない。