文春側「性的行為は真実」　松本人志さん報道、初弁論

　複数の女性に性的行為を強要したとする「週刊文春」の報道で名誉を毀損（きそん）されたとして、人気お笑いコンビ「ダウンタウン」の松本人志さん（６０）が、発行元の文芸春秋と、週刊文春編集長に５億５千万円の損害賠償と謝罪広告の掲載を求めた訴訟の第１回口頭弁論が２８日、東京地裁であり、文春側は「複数の女性が受けた同意のない性的行為は真実」などとして、請求棄却を求めた。松本さんは出廷しなかった。
　松本さんは訴状で「『性的行為を強要』というレッテルが貼られ、複数女性に行ったかのごとき記述は、芸能活動に致命的な影響を与え、名誉を毀損することは明らかだ」と主張している。
　文春側は答弁書で、記事掲載に関し「日本の芸能界トップに君臨する原告が、複数女性に同意なく性的行為に及んだ事実を報じるもの」とし「昨今の社会的風潮に照らせば報じることに公共性がある」と反論した。
　２８日の口頭弁論で松本さん側が、記事化した女性２人の氏名などが分からないと認否を明らかにできないとしたのに対し、文春側はそうした情報が必要なのは多数の女性に同様の行為をしていた場合しか考えられないと指摘した。
　代理人弁護士によると、松本さんは「本人尋問が行われることになれば出廷を拒否しない」と話しているという。