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基地以外も汚染源想定を


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 県が公表したPFAS全県調査で初実施となった土壌調査では、全市町村で有機フッ素化合物が検出され、各地で汚染が広がっている可能性が明らかになった。これまで県は米軍基地周辺の水質調査で高濃度のPFASが検出されているとして、汚染源の特定のために基地立ち入りを国や米軍に求めてきたが、それ以外の汚染源も想定する必要が出てきた。
 県は、調査結果について、41市町村を北部、中部、南部と離島の地区ごとに分けて最大値などをまとめたが、米軍基地が集中する中部地域よりも北部や離島で最大値が大きくなった。県の多良間一弘環境部長は「基地のある自治体で大きな差が出ていないのは意外だった。いろいろな分析が必要になる」と述べた。
 また、昨年11月に「第1種特定化学物質」に指定され、製造や輸入を原則禁止されたPFHxSも水質は21市町村(0・2~53ナノグラム)、土壌は18市町村(0・2~9・4ナノグラム)で検出されている。
 調査地点については、風評被害が懸念されるとして県は具体的な場所を明らかにしていないが、高い値が検出された市町村の住民には不安が残る。今回の調査で汚染の実態が明らかになったとは言えず、さらに詳しい調査が必要となりそうだ。 (慶田城七瀬)