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通信・物流は 復旧が進む 製造業で一部遅れ


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 発生から3カ月の能登半島地震の被災地では、携帯電話の通信サービスや物流といった多くの分野で復旧が進んだ。ただ被害の大きかった地域で、製造業を中心に設備修復のため再開に時間がかかるケースも見られる。4月以降も全面復旧に向けた取り組みは続く見通しだ。
 NTTドコモは、石川県輪島市沖合にあり、住民が避難した舳倉(へぐら)島を除き、被災地全域でサービスを復旧した。KDDIも舳倉島と同県珠洲市の一部を除き復旧した。ソフトバンクは2月に被災地全域でサービスが回復している。
 日本郵便は3月上旬までに珠洲市、輪島市、穴水町、能登町の石川県内4市町で各戸への集配業務を再開した。ただ被害の大きかった珠洲市と輪島市は、一部の地域で引き続き配達を休止している。ヤマト運輸と佐川急便は4市町で集配を再開している。
 穴水町にある電子部品大手の村田製作所の工場は、設備補修などが必要なため、操業停止が依然続く。同社は生産再開は5月中旬以降になると見込む。
 経済産業省によると、3月29日時点で、供給網に影響が出る可能性のある自動車、半導体などの製造業は9割以上で生産を再開したか、再開のめどが立った。一方で能登半島を中心に繊維、工芸品の約2割で再開のめどが立っていない状況だ。