＜訃報＞天児牛大さん死去　74歳　舞踏、「山海塾」主宰

　全身白塗りの踊り手によるパフォーマンスで知られる舞踏集団「山海塾」を主宰し、海外でも高く評価された舞踏家の天児牛大（あまがつ・うしお、本名上島正和＝うえしま・まさかず）さんが3月25日、心不全のため死去した。74歳。神奈川県横須賀市出身。葬儀は近親者で行った。後日、お別れの会を検討している。

　山海塾によると、2017年に下咽頭がんが見つかり、治療を続けていたという。

　麿赤児さんの舞踏集団「大駱駝（らくだ）艦」創設メンバーで、1975年に山海塾を創設。80年に初の世界ツアーを行い、82年以降はパリ市立劇場を創作の拠点にし、新作を発表した。作品はこれまでに48カ国で上演。97年からオペラの演出を手がけ、フランスのリヨン国立歌劇場での新作「三人姉妹」は高い評価を受けた。2002年には山海塾の作品が、英演劇界の栄誉あるローレンス・オリビエ賞の最優秀新作ダンス作品賞に選ばれた。