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「攻撃対象に」「国防のため」 特定港湾 石垣港指定に市民賛否


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 【石垣】政府が1日、自衛隊や海上保安庁の利用円滑化を前提にした「特定利用空港・港湾」事業で石垣港を指定した。市民からは「戦争につながらないか」と反対の声がある一方、「国を守るために必要」と賛成の声もある。事業の中身を知らず「関係ない」と無関心の市民もいた。 (1面に関連)
 市南ぬ浜町の石垣港の護岸で釣りをしていた川満笑平さん(67)は「自衛隊が港を使うと他国から攻撃されないか」と懸念を示し、指定に「反対」と言い切った。石垣港管理者の市は指定に「同意」した一方、新石垣空港の管理者である県は指定に後ろ向きであることを踏まえ、「このまま県は拒否してほしい」と期待した。
 石垣港クルーズ船バースの駐車場に車を止め、車内で昼食をとっていた夫婦は「賛成」の立場を示した。夫(81)は国防のためには「必要だ。何の不安もない」と強調した。妻(79)も「自衛隊には感謝している」と語りつつ、「米軍の使用は心配」とこぼした。
 市浜崎町の護岸で釣りをしていた男性(60)は「心配や懸念はない。特に何もない」と特定利用空港・港湾事業に関心がない様子。漁師の男性(67)も「なんとも思っていない」と述べ、興味がないとの考えを示した。 (照屋大哲)